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長良の落陽。

モータの回転原理

電流と磁界と力について
最初にこれからする説明のために、電流と磁界と力に関する基礎となる法則などをおさらいしておきます。懐かしい感じがしますが、普段、磁気関連の部品を使うことが少ないと忘れがちです。
モータの回転原理
モータの回転原理を説明します。図と式を使います。
導線が長方形の場合に、電流に働く力を考えます。
辺a、cの部分に働く力Fは、
 F=B×I×l[N]
となり、中心軸を軸としたトルクを生じます。
たとえば角度θだけ回転した状態を考えると、b、dに直角に働く力はsinθ分になるため、aの部分のトルクTaは、次の式で表されます。
Ta≃h/2×B×I×l×sinθ[N∙m]
cの部分も同様に考えると全体で2倍になり、以下の式で算出されるトルクが発生します。
 T=B×I×h×l×sinθ[N∙m]
長方形の面積はS=h・lなので上記の式に代入すると、以下になります。
 T=B×I×S×sinθ[N∙m]
この式は長方形だけでなく、円形など他の一般的な形でも成り立ちます。この原理を利用したものがモータです。

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モーターのノイズ対策

1.モータのノイズの概要
電子機器の多様化に対応して、入力電力3W程度以下のブラシ付き小型直流モータ(DCマイクロモータ)は、特に音響機器、OA機器、車載機器などの分野において大幅に需要が増大している。DCマイクロモータは励磁コイルに流れる電流が、モータの回転に伴って高速でON-OFFされるため、誘導性負荷を開閉した時と同様のメカニズムでピーク電圧が高く、立ち上がりのdv/dtが極めて大きいサージが連続して発生し、これが原因で広い周波数帯域に渡ってレベルの大きなノイズが発生する。極めて広い周波数帯域に渡ってレベルの高いノイズが観測され、エミッション(EMI)規制のみならず、近年の高性能な映像機器、音響機器の画像、音質劣化など、機器自体および周辺機器に対しても様々な悪影響を及ぼしている。
① ノイズ対策部品
DCマイクロモータのノイズ対策部品としてはモータ内部に実装するリングバリスタ、外付け用としてコンデンサや巻線型インダクタが使用される。
リングバリスタ
コンデンサ
インダクタ
② ノイズ対策技術
モータのノイズの吸収は発生源で対策可能なリングバリスタが理想的で、最も効果的である。リングバリスタSTRによるモータノイズ吸収効果例として、0.6WのDCマイクロモータに50cmの電源供給用ケーブルを接続し、20g/cmの低負荷にて駆動した時に発生する輻射ノイズを3mの距離において、リングバリスタなしのモータとSTRを装着したモータについて比較した結果として、STRを装着することにより、広い周波数帯域にわたって大きな効果を発揮することがわかっている。
2.リングバリスタ
リングバリスタの吸収効果は、一般に駆動回路やモータとの相性によって大きく変化するため、モータメーカ、リングバリスタメーカを含めて十分に検討することがコストパフォーマンスを引き出すポイントとなる。
コンデンサ、インダクタのみの対策では不十分で、この両者を組み合わせてLCフィルタを構成させることにより、十分な吸収効果を得られることもある。
フィルタはDCマイクロモータの端子部分に直接接続することが重要で、例えば電源ケーブルを接続する基板側に構成しても、輻射ノイズに関してはほとんど効果は得られない。
外付けLCフィルタによる対策は、5つの素子の部品代、加工費を考えればリングバリスタによる対策がトータルで安く、確実な方法と言える。
3.モータのノイズまとめ
一般にDCマイクロモータのノイズ発生量は負荷の重さにより大きく変化する。
そのためDCマイクロモータが組み込まれた機器のノイズ測定、対策を進める場合、機器に組み込まれたままの状態では、動作に伴ってモータの負荷状態が常に変化すること、対策のために機器の分解、組み立て作業の中でモータの取り付け状態が変化すること、などの理由から測定されるノイズレベルが大きく変化するため、対策の効果を正確に捉えることが困難な場合が多い。
このためモータノイズが問題となった場合は、DCマイクロモータのみを取り出し、定負荷状態にて測定、対策を進めることが重要である。またケーブル上の電流スペクトラムを電流プローブとスペクトラムアナライザにより測定した結果は、輻射ノイズレベルとほぼ相関があることを利用して対策を進めるのも良い方法である。
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ロボット制御における特異点

エクサウィザーズMLエンジニアの柳元です。 あけましておめでとうございます(遅い)。
エクサウィザーズのRobotTechチームはこれまでにマニピュレータロボットを使って 粉体秤量 、液体秤量、 パレタイジング 、ピッキング、コンプライアンス制御などの動作を機械学習させることに成功してきました。 そして、これらの学習済みモデルを COREVERY によってデリバーしています。
学習と制御のフローを考えたりデバッグをする上で、念頭に置かなければならないことの1つとして、特異点の問題があります。今回はロボット制御におけるこの「特異点問題」についてお話しします。
ロボットの特異点(Singularity)とは?
特異点と聞いて何を想像するでしょうか?多くの人が 技術的特異点 を想像するかもしれませんが、数学・物理学・制御学においてはとあります。
ロボット制御における特異点は、構造的に制御できない姿勢を指します。軌道に特異点が含まれている場合、ロボットは特異点付近において高速に移動(暴走)し、そして特異点で停止してしまいます。 なので、制御する際にはこれを避ける必要があります。
ロボットの姿勢の表現
ロボットがどんな体勢になっているかの表現は、ふつう以下のいずれかを使用します。
1.関節変位 (Joint space) q: 関節の角度の値
2.姿勢 (Pose, Task space) r: TCP(Tool Center Point, ロボットの手先の位置)を表す3次元空間の値
例えば、URのような6DoFのマニピュレータは、6個の関節(joint)を回転させて姿勢(pose)を変化させることができます。
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3Dプリンター-ABS樹脂の特徴と注意点

3Dプリンターの材料としてのABS樹脂
ABS樹脂は自動車、電化製品でよく使用される材料ですが、3Dプリンターの世界ではFDM(Fused Deposition Modeling)と呼ばれる造形方式で使用される材料として有名です。FDM方式は米国のStratasys社により開発された製法で、フィラメントと言われる糸状の熱可塑性樹脂を造形ヘッド内ヒータで溶かし積層していく造形方式です。1995年Stratasys社からABS樹脂フィラメントがリリースされ、パーツをABS樹脂で直接造形可能になり、形状確認やプレゼンテーションだけでなく、機能確認の用途でも3Dプリンターの利用が可能となりました。
ABS樹脂の特徴
ABS樹脂はアクリロニトリル(AN)、ブタジエンゴム(BD)、スチレン(ST)を原料としたスチレン系熱可塑性プラスチックで、それぞれの頭文字をとって名づけられています。AN、BD、STの成分比を変えることで多くの種類が製造可能でAN成分を多くすれば耐薬品性・強度・弾性率が高くなり、BD成分を多くすれば衝撃強度が向上し、ST成分を多くすれば成形性が良くなります。
 ABS樹脂のBD成分は衝撃強度を向上させる他に、次のような特徴をABS樹脂に与えています。ABS樹脂にめっきを施す技術は確立されており、金属の代替品としてもよく使用されていますが、クロム酸エッチング処理によってABS樹脂表面のBD成分を酸化・溶解し、樹脂表面に微細孔を形成させアンカー効果により高い密着性が得られるメリットがあります。一方でBD成分は二重結合を有するため、光、熱、オゾンにより酸化劣化を起こすことがあります。
そのため屋外での使用や、長期で熱に晒される雰囲気での使用では、塗装などの表面処理を施すか、BD成分の代わりにアクリルゴムを原料としてASA樹脂とすることでABS樹脂並の耐衝撃性を確保しつつ耐候性を高める方法が推奨されます。ASA樹脂は一部のFDMプリンターで造形材料として使用可能です。
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サーボモータが動く仕組みは?フィードバック信号とは何か?

サーボモータは正確かつ素早く回転する機械ですが、モータ単体だけでは何もできません。モータを動かすためには、司令塔の役割を果たす「プログラマブルコントローラ(PLC)」と、実際にサーボモータを動かす「サーボアンプ」(ドライバ)が基本的には必要です。サーボアンプは、容量ごとに異なるサーボモータの性能を最大限に発揮できるようにチューニングされているため、メーカーによって両者がセットで販売されることが一般的です。
では、具体的にサーボモータは、どのような仕組みで動くのでしょうか?
まず、司令塔であるプログラマブルコントローラから、サーボモータをどう動かすべきか「位置/速度/回転力」についての目標値が出されます。位置なら、ある目標値でピタリと止められます。速度なら、低速から高速まで、一気に目標速度まで加速することが可能です。回転力については、サーボモータにかかる力(負荷)が急に変化しても目標の回転力を維持できます。
このようなプログラマブルコントローラからの目標値を受けるのが「サーボアンプ」です。サーボアンプは、サーボモータが目標値どおりに動くために必要な出力(電力)を供給します。ただし、本当にサーボモータが指令どおりに動いたかどうかは分かりません。そこで、前述のエンコーダが実際のサーボモータの回転位置や速度を検出し、その電気信号をサーボアンプに返します。
この信号のことを「フィードバック信号」(feedback)と呼びます。図の矢印のように、エンコーダがサーボモータからの信号を摂取し(feed)、それをサーボアンプ側に戻すわけです(back)。そして、プログラマブルコントローラから出された目標値とフィードバック信号を比較して、その誤差がゼロに近づくように、サーボモータの出力をうまくコントロールしていくわけです。
このような制御は、フィードバック信号がサーボアンプ側に戻され、閉じられたループを構成するため、「クローズド・ループ制御」と呼ばれています。サーボモータの最大のメリットである正確な位置/速度/回転力は、このクローズド・ループ制御によって生み出されるのです。
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