ラピッドプロトタイピング(高速試作)
3Dプリンティングは、機器のセットアップを変更することなく、データの変更のみで異なる形状を成形することができるため、スピード重視で多岐にわたる形状を作製するラピッドプロトタイピングに活用されています。3Dプリンターを導入して社内で使用すれば、試作品の内製化が可能です。製品開発プロセスの時間短縮ならびにコスト削減につなげることができます。
特に光造形(SLA)方式の場合、その強みを活かして下記のような活用場面があります。
<例>
試作の可視化
工具などの試作
実際に工具の形やはまり具合の確認に使用される。高耐久性レジンや高温耐性レジンを使用すれば、機能試験用のプロトタイプ製作も可能。
小さな射出成形部品の出力
従来の製造方法を用いた金型製作は、納期が長く、初期コストが高いです。また、鋼やアルミなど硬い素材を使用した金型は、形状変更が難しいことが課題です。
一方で、3Dプリンターを使用して型を内製化すれば、形状変更が容易になり、短納期・低コストで設計の反復が可能になります。さらに、光造形方式で3Dプリントしたパーツは高精度かつ滑らかな表面仕上がりになるので、型が最終パーツに移りやすく、離型も簡単です。また、高温耐性レジンを使用すれば、高い溶融温度の熱可塑性樹脂の射出成形にも対応できます。ただし、材料が樹脂であることから、回数の少ない射出成形用の型や試作型の方が適しています。
<例>
大量生産する商品の素材を選定するため、さまざまな種類の熱可塑性樹脂で試作するための型の製作
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、急遽、必要になったマスクのストラップの設計・製作において、光造形方式3Dプリンターで型を素早く製作
産業用 大型光造形3Dプリンターでの造形
多くの光造形方式3Dプリンターは、デスクトップ型など機器本体のサイズが小さいものが多いです。しかし、光造形方式のメリットはそのままに大型パーツを造形したい場合には、産業用の大型光造形方式3Dプリンターが適しています。また、大型であれば、複数のパーツを一度に造形するバッチ生産も可能になるため、生産スピードを上げることができます。
<例>
バンパーなどの自動車部品の試作品や最終製品の製作。部品の開発サイクルを加速化。
複数あった部品を統合して一括で造形することで、組立工数が減り、大型部品の製作に掛かる時間を短縮。
複数のパーツを一度に造形できるため、量産にも適している。
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